【物書きノマドの低予算×海外放浪記】episode.6オーストリアでヤギや羊の世話をする代わりに無料で居候させてもらったときの話【前編】

 

オーストリア

 

こんにちは!灯甲妃利ことRennaです。

前回のepisode.5では、私が3ヶ月滞在した北マケドニアについて語りました。

今回は!北マケドニアの後に行ったオーストリアでの居候生活について語ります。その前にアルバニアとハンガリーにも滞在したのですが、その件についてはまた今度!

オーストリアの田舎にある農場でお手伝いする代わりに、部屋とごはんを提供してもらいました。農場では草むしりとかDIYの手伝いとかもしましたが、基本的には農場で飼っている動物たちの世話をするのが私に割り当てられた仕事でした。

現地にはウィーン中央駅から新幹線的な電車と普通の電車を乗り継いで3時間くらいかけて行きました。農場は10代の子供たちがいるファミリーで運営していて、普段一匹狼な私が共同生活をしたのです。

ウィーン滞在中のハナシ

ウィーン

オーストリアに入国する前はハンガリーの首都ブダペストに滞在していました。居候先に向かうため、ブダペストからバスに乗り。直通で3時間くらいでウィーンに到着しました。バス停からウィーン中央駅まではトラム(路面電車)で30分くらい。乗り場に発券機がなくて車内で切符を買うことになったので、小銭を持っていてよかったと思いました。

そしてウィーン中央駅に到着し、3日間は近くのホテルに泊まりました。

観光するためです!

ウィーンに滞在したい理由があったのです。

自分の小説の舞台にした場所であるホーフブルク宮殿に行ってきた

私が書いてこの公式サイト上に一時期公開していた『Catholic Re:load(1732A.D.-2275A.D)』という小説の1732年が舞台の部分で、主人公とヒロインが出会った場所としてホーフブルク宮殿という実在する宮殿が出てきます。

ハプスブルク家が住んでいた場所です。これがウィーンにあるのです。

セルフ聖地巡礼として、行ってきました。これが本物のホーフブルク宮殿です。もしかしたらあの作品を読んでくれた方もいるかもしれませんが、あの場所の外観はこういう風になっています。

ホーフブルク宮殿

資料として写真などを確認したうえで小説原稿に書きましたが、私は実際に見るまでホーフブルク宮殿についてヴェルサイユ宮殿のようなイメージを抱いていました。

でも、イメージとちょっと違いました。やはり実物を見るのは大切ですね。

ホーフブルク宮殿2枚目。

ホーフブルク宮殿

ウィーンは古い街ですが、中央駅あたりは都会らしさがあります。

ウィーン中央駅の近く

北マケドニアとアルバニアは都会ではない素朴な国なので、ウィーンの都会っぷりに感動しました。東京ほど高層ビルがあるわけではないのに、とっても都会に感じました笑

ちなみにウィーンの中心部は馬車が走っています。

馬車

このオーストリアあたりまでは私があまりフットワーク軽くなくて、ウィーンまで行ったのにグスタフ・クリムトの絵を観に行っていないという。。。(この絵は自作の小説の中で大事な役割をします)

ウィーンの国立図書館の中にも入っていない!!

でもヨーロッパ滞在期間も後半になるまでは実は結構インドアだったというか、あまり観光に興味がなかったので仕方ないのです。

人間変わるもので、オーストリアの後しばらく経ってフランスに滞在したのですが、そこで何かに目覚めたらしく。その後のドイツとオランダは、ウィーンまで行って全然観光しなかった私とは別人のようにアレコレしっかり観光しました。それについては後日またブログを書きます。

個人的に一番難関なのは新幹線のような電車

個人的にオーストリアの居候先に行くまでの難関は新幹線のような電車に乗ることでした。飛行機とかバスより、電車のほうが乗る工程がちょっと難しいのですよ。

今はアプリがあるから新幹線のような電車だと事前にチケットを買って座席指定もできます。

チケットのお時間と、行先と、割り当てられている車両番号確認して乗り込むのですが、ヨーロッパの新幹線的な電車の場合はプラットフォームに発車案内板があるだけでなく、到着した電車の側面にはめ込まれている電子パネル(?)が役立ちます。こういうのです。各車両の電車のドア付近にあります。

電車

 

これを確認して自分が予約した車両番号のところに乗り込みます。

そして席を指定している場合には、席の上にある小さなパネルに予約情報が表示されます。

ヨーロッパ人たちは誰かが予約済みの席でも、その人が乗ってくるまでは空いているからと座っていることが多いです。誰かが座っていても、そういうものなので『ダブルブッキング』とか『どうしよう』とかそういう心配はいりません。「あい はぶ ぶっくど」とか『あい はぶ れざべーしょん』とか適当に言えばどいてくれます。

これは私がウィーン中央駅から新幹線的な電車に乗ってグラーツ中央駅に行く際に予約した席の上の電子パネル(?)です。座席番号36Dで、このように、『この席にはこの区間予約があるよ』とわかるようになっています。

座席

逆にいえば、このようなものが表示されていないなら予約されていない席なので、誰でも自由に座ってOKです。

座席は予約しなくても乗れます。ただ、混雑している時期は予約したほうがいいですよ。荷物が多い人は荷物置き場の近くに予約するとかね。それはアプリ上で座席指定する画面で確認できます。

1ヶ月オーストリアの農場に居候して手伝いをしたよ

『どうしてオーストリアの農場に居候することになったのか?』というと、きっかけは北マケドニアに滞在していたときに友達になった方の紹介でした。

北マケドニアの後、そんなに旅の資金もないけど日本に帰りたくないしどうするか悩んでいた私は、これにより滞在費ほぼゼロでヨーロッパに残れることになりました。

ウィーン中央駅から3時間ほどかけて到着した居候先は、田舎でした!この写真は居候先の家の庭から見えた風景です。家と家の距離はとても離れております。

ヨーロッパ映画に出てきそうな景色ですよね!?

オーストリアの景色

 

当時私は今より英語が喋れませんでした。オーストリアの公用語はドイツ語ですが、多くの方が英語を喋れます。10代の子供たちもペラペラです。英語さえできれば何とかなるのに、その英語さえあんまりわからない状態でした!しかし一応問題なく生活できました。

オーストリアのウィーンまでハンガリーからバスで行けたし、一番難関なイメージあったウィーン中央駅からグラーツ中央駅まで新幹線的な電車に乗る工程もクリアしました。

言語というより電車情報のアプリのおかげ。

そして生活面ですが、英語わからないなりに意外と何とかなります。もちろん彼らが気を遣ってくれたからで、優しい人たちだったから救われた部分が大きいです。

ヤギと羊とニワトリと猫とウサギなどの世話をした

オーストリアで一般家庭に居候するとはいえ働かずごはんと住居を提供してもらえるわけではなく、その家のお手伝いをします。

私は動物たちの世話(朝と夕のエサやり)を頼まれたのと、あとはそのご家族が諸事情により10日ほど家を空けた期間があり。1人で留守番もしたのですが、その期間のことは後日公開する【中編】か【後編】で触れます。

普段接する機会のない動物たちの世話もしたので、動物の行動など勉強になりました。

今ならもふもふなモンスターたちと過ごすスローライフもののライトノベルを書けそうです。

ヤギは皆のリーダーで毎朝ニワトリのごはんの攻防をした

ヤギさん

ヤギは気が強いというか、力が強いし俊敏です。

この居候先ではヤギと羊を一緒の場所で飼っているので、羊がヤギに従っていて、写真のこの子がリーダーでした。羊を先導する動物といえば牧羊犬のイメージがありましたが、ヤギと一緒に飼うとヤギがちょっとだけその役割をしてくれるらしいです。

ごはんはヤギも羊も生えている草を食べることもでき、日中はそれをよく食べているのですが、朝と夕は牧草を与えていました。

羊が牧草を先に食べようとしたら、ヤギが羊を威嚇したのです。そして羊をビビらせて先に牧草を食べていたのですが、全部食べずに残してそれを羊に食べさせていました。しかも羊が食べ終わるのを眺めて待っていてあげるという優しさを発揮していて感動しました。

このヤギ君はとにかく食いしん坊で、草食動物なので草と穀物が大好き。

朝、私がバケツに穀物を入れてニワトリにあげて行くと、その時間をヤギが把握していてぴゅーんと飛んでくるのです。そしてバケツに顔を突っ込む。こうなると、私の力ではまず勝てません。ヤギはとても力が強いです。

日々のヤギとのニワトリのための穀物をかけた攻防は本当に大変で、私はヤギがいない隙を見計らってニワトリ小屋の中にバケツを持って入り扉を閉めるという作戦に出たのですが、途中で気付いたヤギが扉の前に待機していて、開けた瞬間にニワトリ小屋の中に入ってきました笑

もうどうしようもなく、対処法は『ヤギに見つからないようにする』しかありませんでした。

そんなヤギさんですが、お肉には一切興味を示しませんでした。

猫には毎夜お肉のフード缶をあげていて。ヤギは食いしん坊で猫のエサもチェックしにくることがありましたが、肉だと気付いた瞬間そっぽを向いていました。

『草食動物って本当に草しか食べないのか』と、当たり前のことを目撃した瞬間でした。

ちなみにヤギには人間の7歳と同じくらいの知能があるそうです。

ニワトリのごはんを奪おうとするし、羊を威嚇することもあるけど、エサを与える人である私には一度も威嚇はしませんでした。

ヤギが懐いてくれた印象はありませんが、ある種人間のような存在感があり、アイコンタクトとかができていたような。。。勝手な印象です。

感情の表現力でいったら正直セキセイインコとかのほうがあると思います。彼らは鳴き声のトーンが変わりますし。しかしヤギはたまにしか鳴かないし表情も変わらないので、『賢いのはびんびん伝わってくるのだけど、感情が見えない』という印象です。

ヤギは西洋では悪魔の動物と表現されるときもあるのですが、それ、何となくわかります。

とはいえとても可愛かったです。

羊は臆病だからこそ威嚇する動物だった

羊くん

羊にはヤギと同じ牧草を与えていたのと、あとは生えている草を食べたりしていました。

また別の機会にブログで触れますが、私は羊という動物が大好きなのです。

それで『羊だー!やったー!』と喜びましたが、羊さんは全然懐いてくれませんでした。

とても臆病で弱くてヤギの後ろをついて歩いていて、ヤギが走ってどこかへ行ってしまうと大きな身体でどんくさい走りをして慌てて追いかけるという感じでした。臆病で警戒心が強すぎるせいで、私が一定以上近付こうとすると足で土をかきかきして威嚇してきました。

ただ、牧草を食べているときだけはナデナデさせてくれるときもありました。

夕方ニワトリを小屋に入れるのはとても大変だった

ニワトリ

ニワトリは朝に穀物を与えていました。

そしてその後小屋の中の卵を取っていました、生みたての卵は美味しかったです。ひら飼いなのでストレスフリーなニワトリさんたちです。

この子たちを夕方に小屋に戻すのも私の仕事でした。朝はニワトリ用の小さい扉を開けると外に飛び出てくれるので簡単なのですが、夕方は皆が素直に小屋に戻ってくれるわけではありません。

開けたらすぐに入る子もいれば、入らない子もいます。手のひらをニワトリとちょっと距離を取った位置で動かすと、ニワトリが追い立てられて中に入ってくれます。

これを地道にやっているうちに、先に中に入っていた子が小屋から出てきてしまったりします。

この小屋は森のすぐ目の前にありまして。田舎なので夕方になってちょっと経つともう暗くなるのです。街灯なんてありません。

すぐ目の前には暗い森、誰もいない。。。

とっても怖かったですよ!ええ、もう!

『お願い早く小屋に入ってえ』って何度思ったことか。ちなみにスムーズに入ってくれるときは扉の前でニワトリが規則正しく行列を作るのです。これ、本当です。一列に並んで、前のニワトリが小屋の中に入るのをおとなしく待っています。

ニワトリってとっても可愛いですよ。

この子を猫代表だと思わないほうがいいというくらい人に懐く猫

猫

居候先は広い敷地を所有していて、敷地内にいくつか建物があったのです。

私はその中の1つ、ゲスト用の家に住みました。キッチンはご家族も使っていたので共用ではあるのですが、彼らは夜はこないので夜は私1人で使っていました。

そこで一緒にいてくれたのが、写真の猫ちゃんです(本当はもう2匹いるのですが、写真撮るの忘れた)

この子はとても人懐っこく、すぐに膝に乗ってくれたり甘えてゴロゴロ鳴いたりしました。

この子を猫のスタンダードだと思ってしまうとその後ギャップに苦しむことになると思います笑

ちなみに毎日ベッドにくるので、一緒に寝ていました。ベッドが何台かあったので、一度試しに別のベッドに移動してみたら、この子もついてきて一緒に寝ていたので、自分の意志で人間と寝ているのだと思います。

猫は家にも入ってきますが、日中は敷地内を自由に散策しているのでトイレの世話をしなくてよかったのがとても楽でした。猫の世話ってトイレ掃除が一番大変なのですよね。

居候先のご家族は猫を建物に入れないスタンスらしいのですが、入ってくるのです。隙間から侵入するらしいです。

私が滞在していた期間に、一度猫がジャンプしてドアノブを下げて開けているのを見たことがあります。

オーストリアの田舎の人たちは優しかった

田舎

オーストリアでの居候生活をした期間は1ヶ月でした。本当は3ヶ月いさせてもらう予定だったのですが、私が体調を崩した関係で日本に一時帰国することになり1ヶ月で終了となりました。

その後また私はヨーロッパに戻ります。今ブログを書いている2025年5月は日本にいますが、1年の間でも人間は変化するもので、オーストリアの後また別の国に行ったり海外就職したりなどなど色々ありました。

そういうことについてもまたブログで綴れたらいいなと思います。

さて、居候先の家があったのは山の中の田舎ですが、車でしばらく行くと街もありまして。オーストリアの田舎街はこういう感じです。ちなみに居候先から最寄りの街まで歩いたら2時間かかります。

車でないと無理です。

 

街

さて、このオーストリア滞在記は【中編】と【後編】に続く予定です。

 

ではでは!