【物書きノマドの低予算×海外放浪記】episode.5 北マケドニア移住のリアル~観光地紹介と住みやすさ解説

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こんにちは!灯甲妃利ことRennaです。

前回のepisode.4では、英語が話せなくても1人で海外旅行はできるのかという点に触れました。

今回は私が3ヶ月住んだ北マケドニアという国について、住んでわかった(といってもたった3ヶ月だったので表面だけですが)メリットとデメリットをご紹介します。

その前に、北マケドニアという国がどんな国なのかと、観光スポットも紹介するので、この記事を読むだけで北マケドニア通になれます!

そもそも北マケドニアってどんな国?

街並み

北マケドニアはヨーロッパにありますが、EU加盟国ではありません。

いわゆる東欧の、バルカン半島中央部に位置しています。バルカン半島は『ヨーロッパの火薬庫』と呼ばれた歴史があります。教科書で見たことがある方もいるのではないでしょうか。

ヨーロッパは地続きなので複数国にルーツがある人が珍しくありません。北マケドニアもそうですが、スラヴ系の外見の人が多い印象です。

首都はスコピエですが、私が3ヶ月暮らしたのはオフリドという街でした。

ちなみに北マケドニアはマザーテレサの出身国で、スコピエにはマザーテレサ記念館があります。

旧ユーゴスラビア連邦の中で最も平和的に(戦争をせずに)独立を果たした国でもあり、バルカン半島の中でも政治と経済は安定しています。

大昔はオスマン帝国に支配されていたので、食文化・建築・音楽はトルコの影響を受けています。ドイツやフランスといった日本人の認識度が高いヨーロッパの国々とは雰囲気が違います。

公用語はマケドニア語です。国名が変わったことがあったり国旗をどうするかで周辺国と揉めたこともあるのですが、ここではそれらの歴史解説は割愛します。

世界遺産オフリド湖や中世の要塞などの観光スポットをご紹介

オフリド湖と街並み

オフリドは世界遺産(自然遺産)に登録されているオフリド湖や、中世の要塞などの観光スポットがあります。この写真の海のように見える部分は、実は海ではなくオフリド湖です!

北マケドニアは内陸国なので海はありませんが、隣にアルバニアという国があり、そこがアドリア海に面していてイタリアと向き合っています。そのため地中海的な雰囲気もあります。

住むメリットとデメリットを解説する前に、オフリドの主要観光スポットをご紹介します。

サミュエル要塞~進撃の巨人風!?中世の姿で現存~

サミュエル要塞

サミュエル要塞は、ブルガリア帝国の皇帝サミュエルによって何と10世紀末から11世紀ごろに築かれた要塞です。

オフリドの街を見下ろす位置にあります。2つ前の街の写真の後方に、実はサミュエル要塞が写っています。

その名からわかる通り、オフリドはブルガリア人に支配されていた時代があります。その前にはローマ帝国、その後にはオスマン帝国の支配下の時代もあるので、それだけ魅力的で各国が欲しがった土地だということです。

カネオ教会~世界遺産を見下ろす聖地~

カネオ教会

カネオ教会は、キリスト教正教会の教会です。13世紀に建てられたそうです。

オフリド湖を見下ろす位置にあり、観光客に大人気!

北マケドニア人は正教会の信者が多いですが、15世紀のオスマン帝国支配時代には教会がモスクに転用されたそうです。

その影響で今もイスラム教徒の住人の割合も高く、決まった時間になるとアザーン(イスラム教の礼拝の呼びかけ)が響き渡ります。

カネオ教会の内部には、正教会の伝統的なイコン(聖人やキリストを描いた宗教画)が飾られています。

教会の中に入るには通常有料ですが、受付のスタッフがいないときは無料で中に入れます。

オフリド湖~ヨーロッパ最古の湖で世界遺産(自然遺産)~

オフリド湖

水が澄んでいてとても綺麗で、夏は泳ぐことができます。

写真のわんちゃんは野良犬です。耳にタグがついている野良犬は予防接種済みなので触っても大丈夫です。このサイズからもっと大きい野良犬が、オフリドにはたくさんいます。

この写真を撮ったとき、イタリア人の友達とオフリド湖で泳いだのですが、私が友達に虐められていると誤解したこのわんちゃんがワンワン吠えて助けようとしてくれて(でも水には入れなかったらしい)とても可愛かったです。

北マケドニアのオフリドの生活

野菜

北マケドニアは物価が安く、1人暮らしなら月に食費2万円あれば自炊でそこそこしっかりごはんを食べられます。

家賃は1人暮らし用の綺麗なアパートでも3万円でいけるらしいです!

ただし、観光客向けに貸し出す短期の物件は割高でEU加盟国水準の€価格なので注意が必要です。

外食は千円だせば、普通のレストランでお腹いっぱい食べられます。

服も安い。『LC Waikiki』という、トルコのアパレル企業が展開している大きな洋服屋さんがあり(イメージや価格水準はGUやユニクロやH&Mやしまむらみたいな感じです)服はそこで揃います。

北マケドニア人は美容意識が高い女性が多くて、メイクも華やかで出かけるときは服も気を遣っている人が多いです。そのため、服の路面店も充実しています。

ジブリ風の街並み!『魔女の宅急便』のイメージに近い

建物

これはオフリドのごく普通の住宅街の写真です。

ジブリの実写版ができそうですよね!?

『魔女の宅急便』はクロアチア(※スウェーデンという情報も出てきますが、クロアチアはおそらく要素として入っています)

『紅の豚』はイタリアが舞台らしいです。クロアチアもバルカン半島なので、北マケドニアと少し似ていると思います。だかオフリドもジブリの舞台地に多分できます。アドリア海近いし!

オフリドは野良猫が多くて、こういうジブリ作品に出てきそうな道を猫ちゃんが歩いているのでとてもロマンがあります。

国教はキリスト教の正教会

教会

オフリドには正教会の教会がたくさんあります。

日本人が知っているキリスト教といえばカトリックだと思いますが、正教会とカトリックは雰囲気が違います。私はこのようなタッチのイコンは、バルカン半島で初めて見ました。

オスマン帝国の影響を受けている文化

夜の街

北マケドニアは15世紀頃からしばらくオスマン帝国の支配下でした。

ちなみに私が今小説投稿サイトカクヨムで公開している『祓うダンテ』という、ヨーロッパ舞台のダークファンタジーでもその件に触れています。その作品の舞台地はバルカン半島ではありませんが、オスマン帝国がバルカン半島を支配して目と鼻の先まで迫っていたので、中欧が危機を感じていた時代です。

↓↓こちらから読めます!

祓うダンテ-カクヨム

この写真だと少しわかりづらいですが、建物の面積は上のほうが広いことにお気付きでしょうか。これはオスマン帝国の影響を受けている建築だそうです。

理由は色々あるらしいですが、私がオフリドで聞いた話では、地面に接する面積が広くなるほど税金が上がるので節税するために地上階を狭くして上階を広くしているそうです。

実はキリル文字発祥の地

キリル文字

キリル文字というとロシアなどで使われている文字のイメージがあるかもしれません。

実はキリル文字はオフリドで誕生したといわれています。

北マケドニアの公用語はマケドニア語で、文字はキリル文字を使います。マケドニア語がわかると、ロシア人とブルガリア人と何となく会話ができるらしいです。

オフリドという街は夏以外中高年と子供が多い

中心地

ここはオフリドの中心地です。背の高いビルがない代わりに、ヨーロッパらしい通りがたくさんあります。

ウィンドウショッピングが楽しい!

オフリドは観光地。仕事が多いのは首都のスコピエだから、若者は進学や就職でスコピエに出ることが多いそうです。

そのためオフリドにいるのは子供がいる夫婦か、シニア層が多いです。表現を変えると、これから結婚する若者の割合は多くなくて恋人探しを大変に感じる場合もあるそう。

そこで活躍するのがアプリ、ティ〇ダーなのですが、小さい街なので友達の友達が表示されるのも珍しくないのだとか。

北マケドニア人の結婚は早い傾向があります。22歳くらいで結婚は普通。文化的に女性はまだまだ男性の後ろにいることが多い社会で、早く結婚して子供を育てることに意識が向く方が多いようです。

夏はEU加盟国からの観光客がたくさん

オフリド湖

私は乗ったことありませんが、オフリド湖を船で散策できるらしいです。

オフリドという街は、例えるなら『EU加盟国の人たちにとってのグアム』です。夏はのんびりリゾート気分を堪能するために訪れる方々が多いです。

でもビーチに行けない冬は激寒で観光客はあまりこなくなるそう。オフリドで観光業に携わる人たちにとって夏は稼ぎどき。冬は全然違う仕事をしていたりするそう。1つの仕事で正社員になり安定することが重視されやすい日本とはまた違う価値観ですよね。

オフリドに住む人々は、幸せそうです。

ヨーロッパの中では決して裕福な国ではありませんが、ピクニックや自然を満喫して、家族や友達を大切にして楽しく過ごしている印象。もしかしたら日本よりも生きやすい国なのかもしれません。

カフェはたくさんある!

カフェ

北マケドニア人は多分カフェ好き多いと思います。

都会的なカフェもあれば、このように内装がおもしろいカフェもあります。このカフェはどことなくジブリみがありますよね。

北マケドニア人はトルココーヒーを飲む飲む

トルココーヒー

北マケドニア人はトルココーヒー好きが多いです。仕事の合間にトルココーヒーを淹れて飲んでいるのをよく見かけました。

トルココーヒーはその名の通りトルコで飲まれているコーヒーです。とにかく濃くて苦味は強め。濃厚な感じ。ホットもアイスもありますが、私はアイスのほうが飲みやすくて好きです。

観光地ど真ん中のカフェでも1杯300円くらい。日本基準で考えたらやはり安いです。

北マケドニアに行ったらぜひトルココーヒーを飲んでみてくださいね!

住んでわかったメリット

メリット

3ヶ月という短い期間なので表面的なものではありますが、私が感じたオフリドに住むメリットをご紹介します。

  • 生活にかかる食品や雑貨などの物価が安い
  • ヨーロッパ各国へのアクセス抜群
  • ヨーロッパ各国への交通費が安い
  • 家賃が安い
  • 自然豊か
  • 人がのんびりしている
  • おしゃれで美容レベルが高い
  • 日常で頑張らなくても許される
  • 英語があれば選択肢がとてつもなく広がる

『結局金か。。。』と、誤解されないように人間活動的な部分もメリットに混ぜてみました!

さて、北マケドニアの物価は安いです。10万円あれば家賃も食費も保険もお小遣いもまかなえます。

そしてオフリド湖があり、EU加盟国の人たちにとってのグアムのようなリゾート地であるので、当然自然は豊かです。山や、小さな森みたいなところもありますが、泳ぐのが好きな人向きです。ハワイやグアムであるような水関連のアクティビティもたくさんあります。

北マケドニア人でせかせか働く人は少なくて、真面目に働くけどのんびりしています。だからこそ他人に『しっかり働け!』みたいなことをあまり求めなくて寛容です。

きっちりしていないとダメなタイプの方はオフリドで暮らすのはほんっとーーーに難しいかもしれませんが笑

のんびりゆるーくやっていくのが気質に合っているというタイプの方なら天国かもしれません。ビールも安いので、ビーチでビールみたいなこともできます。

先程も触れた通り北マケドニア人の女性はおしゃれな人が多く、ヨーロッパの中でも美意識が高いです。ヨーロッパ人は服装にこだわらないのに日本は厳しくて大変と、最近日本で話題になっていますが、北マケドニアには当てはまらないですよ!笑

おしゃれな人が多いということは、コスメや服を購入できるお店も多いということ。ショッピングが好きな人には楽しいかもしれません。

交通費の安さは最強!Wizz Airが味方

バルカン半島内なら大抵の場所にバスでアクセスできるのと、飛行機を使う場合でもオーストリアやハンガリーには格安で行けます。

バスで数時間の移動を我慢できるなら、隣国アルバニアのティラナまでバスで行って、ティラナ空港からWizz Airというハンガリーの格安航空会社を使えば、ハンガリーやイタリアまで片道3,000円で行ける時期もあったりします(※預入荷物がある場合は1万円代まで上がるので、オフリドに住んでいて機内持ち込み荷物だけで旅行できる場合にはすごく得という感じです)

オフリド空港を使う場合は、ウィーンまで航空券片道3,000円代で行けるときがあります。

オランダ人の観光客が多いことから、夏の時期はオランダとの直行便も登場します。

とにかく生活費は安いし各地に格安で行けるしという、旅行好きにとっては最強の強みがあるオフリドです。

ヨーロッパの中でも学費が安い北マケドニアの大学

北マケドニアの教育レベルは高めです。

聞いた話によると600€出せば大学に6ヶ月在籍できるらしいです。今のレートなら9万円くらい。

北マケドニア人はドイツやオランダなどに出稼ぎに行く人が多いので、英語はペラペラ+ドイツ語も喋れるみたいな人がたーくさんいます。大学の授業も英語で受けられるそうです。ビザを取って北マケドニアに住みたい場合、そういう選択肢もあります。

あとは北マケドニアでフリーランスビザが近々登場するらしいですよ。

住んでわかったデメリット

続いては、私が3ヶ月住んで感じたデメリットをご紹介します。

  • 歴史遺産的観光スポットが意外と少ない
  • 外食の選択肢が少ない
  • アジア人を揶揄する人(大抵キッズ)がいる
  • ライフラインが日本とは違う
  • 娯楽が少ない

今回オフリドの観光スポットをご紹介しましたが、古い歴史遺産的なものは案外少ないオフリド。

外食も、安く済ませるならケバブ、レストランで食べるならバルカン料理かトルコ料理かイタリアンかハンガリー料理で同じような内容になりやすいです。

オフリドの料理は美味しいですが、外食の選択肢は少ないです。醤油やアジア食材は買えるので、自炊するほうが堅実かもしれません。

あと、アジア人を揶揄する人(大人は少なくて、大抵は子供たち)については、先進国でなければどの国にもいるので気にしても仕方ありません。海外生活で上手くやっている日本人ってそういうの気にしていません。メンタルが強いともいえます。

あとは『どこでもあるもの』と割り切っている人も多いです。とはいえ頻度はそんなに多くなく、『コンニチハー』と挨拶してくれる可愛い子供たちもいっぱーいいます。

良い人もたくさんいるのです。どこの国も同じ。ただ、日本にいるとアジア人だからからかわれるというのはまずないことです。こういうのを気にして辛くなってしまう人には大変だと思うので、デメリットとしてピックアップしました。

オフリドの断水には悩まされたよ

北マケドニアは発展途上国なのでライフラインは日本ほど整ってはいません。

夏場は観光客がたくさんきて人口が増える=水を使う量が増えるということで、オフリドでは定期的に断水が起きました。

トイレも流せませんw

数時間待っていれば直りますが、私が体験した中で一番長かったのは夜9時から始まり翌日の朝4時まで続いたとき。夏で汗をかいていたのに、シャワーができずに化粧も落とせずそのまま寝ました。

なお、オフリド湖はとても綺麗なので水道水は普通に飲めます。しかし飲料用の水をストックしておかないと断水のときに困りますよ!

あと時々停電も起きますが、大抵はすぐに復旧します。

【まとめ】オフリドの住みやすさについて

景色

オフリドは住みやすいです。自然や泳ぐことやリのんびりとした気質のゾート地が好きで、異国情緒が好きな方は楽しく暮らせると思います。

実際、オフリドに住んでいてずっと住みたいといっている日本人を私は何人も知っています笑

学校教育もオフリドはいいらしいです。今後はフリーランスビザも登場するみたいなのと、学費も安いので、ノマドの人々にとって穴場だと思います。

野菜も美味しいし、家賃も物価も安い。EU加盟国にも格安交通費で行ける。ハマる人には最高の国かもしれません!